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CASE 2 「調査プロセスにおけるデータ流通がスピードアップ」〜某公共団体

サーバーの孤立により、生じていたデータの重複入力。「 Excel Connector / Integrator」でExcelとXMLデータを活用、スムーズなデータ流通を実現。

調査業務を行っている、ある公共団体では、システムの分断により、調査プロセス業務の非効率が生じていました。そこで、この組織はExcelとXMLデータを活用してデータ流通を迅速化させる新システムの構築を断行。そのインフラとして選ばれたのが、メディアフュージョンの「Excel Connector / Integrator」でした。
新システムでは、デジタルで作成されたデータを一度も紙に出力させることなく基幹データベースまで格納できる仕組みを構築。組織内の業務負荷が大きく軽減しました。

デジタルデータが存在しながら、連携性がなく手作業が発生

その公共団体では、申請に対してさまざまな角度から実態を調査し、その結果を報告書にまとめて提出するという業務を行っています。
従来、調査の流れは以下のように行われていました。
調査概要が確定すると、調査指示書の情報、当該情報などを基幹データベースに登録します。すると、約800名在籍する担当者の中から、チームが編成されます。担当者は、調査指示書を見て、組織内にあるファイルサーバーから今回の調査で利用する調査票のテンプレートファイルをダウンロードします。担当者はファイルの入ったノートPCを持参して、調査に赴きます。調査が終了すると、個々の担当者は自分の担当した調査結果をファイルに書き込み、ファイルサーバーにアップロードします。すべての調査が終了すると、チームのリーダーが複数のファイルをとりまとめ、最終的な報告書を作成します。報告書は紙の文書として出力されることで完成形となり、その報告書を元に基幹データベースへ同様のデータが入力されていました。


ここでの問題は、報告書はデジタルデータとして作成されていながら、それが基幹システムとまったく連携されていないことでした。データ入力の重複が生じていたために、相応の業務負荷がかかるとともに、報告書が基幹データベースに登録されるまでにタイムラグが生じていたのです。

データ流通を迅速化させるためにExcelとXMLデータを活用

この公共団体では、こうした業務の非効率を解消するため、システム環境の一新を計画しました。考えたことは、デジタルデータとして生成される調査指示書情報、担当者が作成するデジタルベースの調査報告書をできるだけそのまま活用するということです。問題は、基幹データベースやファイルサーバー、担当者のノートPCといったポイント間をどのような形でデータ流通させるか。担当者の数が多いため、アプリケーションの仕様しだいでは、大きなコストがかかってしまいます。そこで浮上したのがExcelとXMLデータの活用でした。ExcelならすでにOfficeツールの一つとして担当者のノートPCに配布されており、Excelデータを要所でXMLデータに変換して利用すれば、システム間を自由に行き来できます。このような構想を実現するソリューションを市場に探したところ、メディアフュージョンの「Excel Connector / Integrator」を発見しました。聞けばExcelのバージョンは97から利用可能だといいます。97からXPまでさまざまなバージョンのExcelが使われているこの組織にとって、まさに好都合でした。

最終報告書が完成された時点で、基幹データベースへのデータ投入も完了

新システムでは、業務の流れは以下のようになります。
まず基幹データベースに確定した調査指示書や調査対象の情報が登録されます。それらはXMLデータに変換されて中間サーバーに置かれます。担当者は調査票のテンプレートが保存された調査票のExcelファイルをダウンロードするとともに、中間サーバーからXMLデータを取得してExcelファイルにマッピングします。審査員はそのExcelファイルが入ったノートPCを持参して調査を実施、結果をExcelファイルに記入してファイルサーバーにアップロードします。リーダーが複数のExcelファイルをとりまとめ、最終的なExcelファイルを完成させると、Excel上のデータがXMLデータに変換されて基幹データベースに格納されます。


2007年に完成したこのシステムにより、この公共団体の業務効率は向上しました。何より基幹データベースへのデータ入力がなくなったため、組織内の業務負荷が大幅に軽減しました。

調査レポート管理システム 構成図